Blog

クルックー。

わたしの好きなジョークのひとつに「メキシコ人の漁師とコンサルタント」という話があります。

有名な話なのでご存知の方も多いと思いますが(知らない方は「漁師とコンサルタント」でググってみてください。派生バージョンがあるようですがほぼ内容は同じ…のはず)、わたしがこのジョークを好きな理由は我々が半ば強制的に押し付けられている成長主義は、実は人を幸せにしないんじゃないの?ということを的確に表現しているからです。また、エスニックジョークとしても非常に秀逸だと思います。

日常を充足させること以外に幸福への道なんてないんじゃないかな、とわたしは常々思っておりまして。そもそも昔から上へ上への上昇主義的な志向には全く興味がなかった。体質的に合わないんです。どちらが良いとか悪いとかではなく、多分タイプが違うんだろうな、と思います。わたしはタイプ的には純血メキシカンです。

単に「成長・成功・幸福」の3点セットの押し売りであれば価値観の相違として受け流せる話だけれども、そこに将来への憂いだとか蓄えといった脅威を絡めて使嗾せんとする人は大勢います。資本主義である以上、成長主義と我々の生を支えるライフラインが不可分であることは避けようがないしその恩恵を享受しながらといってはなんですが、それでもどこかこういうあり方は違うんじゃないの?と感じながらなんとなく従っている人も結構多いんじゃないのかな、と思います。ちょっとやり過ぎだよねー、と。わたしだってそうです。あ、さっきのはやっぱりハーフメキシカンに訂正しとこうっと。

映画「バニシング・ポイント」の中で盲目のDJスーパーソウルはインドの古い諺を引用してこう言います。

“神が虎に爪を授ける時 鳩には翼を与える”

虎と戦っても絶対に勝てないけれど、翼でするりと逃げることはできる。人によってその翼は違うけれども、わたしにとってはLandscapesがその翼なのかもしれません。

そういうしなやかな武器でなるべく虎に近寄らずに自由に生きていけたらいいな、と思います。クルックー。

Archives

Select