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2017/09/11

蜘蛛と蟷螂

ここ最近、色々な業界の方と話をする機会に恵まれ、自分自身も大きな気づきがありました。

私には山頂が見えない大きな高い山に見えても、その筋の専門者が見ると等高線や気候、植生…様々な構成情報から全容が見える。そういう話を聞くことができるのは単純に楽しいことだし、考え方のアプローチが増えるのはいくつになっても非常に嬉しいことです。よし、次はこのやり方で試し斬りしてみるか!というワクワク感があります。

そうして思うことは、だいたいどの業界の方も、熟練になればなるほど物事を要素の組み合わせとして考える傾向が強いということです。パターンで処理するから解答までの道筋が早いということなのかな。

そのパターンのストックが膨大であればあるほど必要に応じて引っ張り出して再現性を高められるということなのでしょうね。で、大抵そのストックリストにはプライスリストもくっ付いていて、とりっぱぐれがないようになっているという。先にプライスリストからストックリストを引っ張ってくるようになるとスレッカラシと呼ばれるみたいです(笑)。

うろ覚えなのですが、だいぶ昔の中島らも氏のエッセイで、超能力者が裏返しにされたトランプの柄と数字を当てるのに赤か黒か?偶数か奇数か?といった具合に二者択一的に情報を絞り込んでいって当てることで格段に精度が上がるという話がありました。

超能力の真偽はさておき、こうした霊感であってさえ一筋の光が差し込んで正解に直結しているわけではなく、情報の取捨選択から辿り着くというのは非常に興味深い話だと思った記憶があります。斯界の達人と呼ばれる人たちはきっと、そうした処理速度が常人の比ではないということなのでしょうね。

経験はその処理速度と精度を高めるのにもっとも最適な方法で(私の預金通帳と違って)貯まる一方の財産なのだから何事も経験すべきだなあー、と常々思っております。人間はいまが一番若く、転んでも一番受け身を上手に取れるのだから。

蜘蛛の巣に蟷螂が絡まったのを見たことがあるのですが、本当の命がけのデスマッチでいつまで眺めていても飽きませんでした。蜘蛛と蟷螂の間の詰め方、緊張感。そういうやり取りに感嘆してずっと眺めていた記憶があります。

私が昆虫であれば、孵化して早々に捕食される自覚がありますが(笑)、捕食されるわけではないし、周囲に協力してくれる方もたくさんいて、昆虫界なら絶対にありえない超イージーモードでラッキー!なんですよね。

だから、何かに躊躇したら死ぬわけじゃないしどんどんやってみようと思っております。

昆虫との対比が適切かどうか分かりませんが。

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