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All you need is …?

お付き合いのある某ブランドさんからインビテーションをもらったので、渋谷の某所へ出かけてきました(早い話が召喚令状)。

土地勘はあったので迷わず到着できたのですが、会場がガラス張りのお洒落な空間で入り口がまったく分からなかった…。

で、ここが開いてるじゃんとレースのカーテンの隙間から入り込んだ闖入者。多分皆さんビックリされただろう。私は本気でここが入り口だと思ってましたよ。後から聞いたらそれはTOKIOでは「窓」と呼ばれるものらしいね。そんなクリエイティビティに溢れた入場で、一躍”社交界のクロコダイル・ダンディー”として皆さんとお話しできてとても楽しかった。

もっとも、各ショップのプレスさんやバイヤーさんが出入りする中で部外者が長居するのも迷惑なので差し入れと手短な話でクロコダイルは早々に会場を後にしたのだけれど(*出方が分からずにデザイナーさんご本人に出口までアテンドしてもらう醜態ぶり。はあこんなでれすけに親切にすけてくれでホントわりがったね)、ついでなので街をゆっくりと散策した。

この界隈をちゃんと歩くのは20年ぶりだったので何もかもが新鮮だった。大学生の頃、私は渋谷には頻繁に遊びに行っていた。エイトプリンスから中央特快を使って週1~2で通っていた。何をしていたかって?

何もしていなかった。

ただただ街を散策するのが楽しかった。色々なショップを見たり、レコード屋を冷やかしに行ったり。渋谷ー原宿ー青山ー代官山ー渋谷の周回コース。今考えると気が遠くなるような行軍だけれども、あの頃は疲れも知らずただただそれが楽しかった。それもレザーソールのブーツなんかで歩いていたのだから。これが若さか…。

渋谷は本当に変貌の早い街だけれども、あの頃あの場所にいた人たちは今どこに行ってしまったんだろう。ここにはあの店があった、あそこにはこれがあった。そういうものが上書きされてまったく新しい渋谷になっていく様をウェットな感傷で眺める自分は歳を取り過ぎたということなのだろうか。

街は変わる。人も変わる。

変わらないものってなんなのかな。

珈琲を一杯飲んだ。いや、正確にはお代わりして二杯だったのだけれど。ずっと訪れたかった珈琲屋さんで、マスターが気さくに話しかけてくれた。「どちらからいらしたんですか?」「栃木です」「そんなわざわざ遠くから!栃木のどちらですか?」「那須というところです。ずっとこちらのお店の珈琲が飲みたくて…。今日飲むことができて良かったです。すごく美味しいです」そんな会話から始まり、マスターやウエイターさんに色々と親切にしていただいた。会計が終わってドアを開けたとき、こう声をかけられた。

「また是非おいでになってくださいね、いってらっしゃい」

私はハッとした。

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